関西大学出版部

知と学の創造工房

関西大学出版部は、関西大学における研究成果の発表を助成・促進し、学術の振興に寄与することを目的として、関西大学教員・関係者による学術図書及び大学教材などを出版しています。関西大学の知的生産物である研究成果を出版メディアによって社会に発表することは、出版活動を通じて大学の教育研究事業に参画することになり、本学の知的アイデンティティーの確立を図る一助になっているといえるでしょう。
本出版部は、創設以来75年以上の歴史を数えます。今後とも教学方針に則りながら、広く関西大学の研究成果を発表し、あわせて我が国の文化の向上に寄与したいと考えています。

沿革

　関西大学における出版物刊行の沿革は本学創立期にまで遡ります。すなわち、関西大学の前身・関西法律学校が創立された1886年11月の翌年、1887年11月に大阪東区南久宝寺町の岡島宝文館から発行された『関西法律学校講義録』第一号を嚆矢としております。
　その後、1910年12月には、校友と学生との相互交流機関誌として『関西学報』が創刊され、これに学内の学術論文も掲載されることになりました。さらに1922年6月の大学（旧制）昇格と同時に大学の定期機関誌として『千里山学報（のち関西大学学報）』が刊行されるようになり、これにも教育職員の論文が掲載されました。
　関西大学における出版活動は概略、上記のような変遷をたどってきましたが、戦後の混乱期の中で、当時の岩崎卯一学長が関西大学の再興を指標する「関大ルネッサンス」を提唱し、これとあわせて学内組織を再編成した結果、1947年6月、関西大学出版部が設置され、1963年9月には、出版補助の制度（「研究成果出版補助金規程」の制定）を確立しました。1971年11月、出版広報部（当時）が大学出版部協会に加入、また、日本書籍出版協会の会員出版社にもなっています。
　本出版部は、他大学の出版部等に見られるような独立した法人組織ではなく、学校法人の事務組織の一部局として位置づけられ、その機能を果たしてきました。2004年4月からは学術情報事務局内の部署として編成され、学術図書や大学教材などを出版しております。

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「いじめと法」入門

法律は、いじめに対する措置をどのように定めているか

永田憲史著

「いじめと法」を専門とする研究者が、いじめへの対処に関するいじめ防止対策推進法やいじめ防止基本方針の規定を網羅的に紹介。最新の裁判例・議論・統計についても詳しく解説。ですます調で読みやすい入門書でありながら、「いじめと法」を初めて学ぶ児童生徒・保護者・教職員の知識を専門レベルまで引き上げる必読の書。

判型・頁数: A5判　並製　264頁
価格: 定価2800円＋税

恭仁京と万葉歌

村田右富実著

奈良時代には、平城京、恭仁京、紫香楽宮、難波宮を転々とした時期があった。『万葉集』にはこの時代の歌が約90首残っている。本書は、それらの万葉歌を、緻密な表現分析と歴史学の成果により、その時代に定位する。これまで恭仁京時代の万葉歌について正面から論じた書はほとんどない。今後の万葉研究における必読の書である。

判型・頁数: A5判　上製　320頁
価格: 定価3100円＋税

ジャズとダンスのニッポン

永井良和著

大正時代から昭和戦前期のモダニズム文化のなかで、ジャズとダンスは西洋化の動きとしてとらえられてきたが、そこに欧米文化を日本化する試みを読みとることもできる。20世紀前半に東アジアにひろがった「タクシー・ダンスホール」に注目し、文学、映画、建築、美術、ファッションにも論及。多くの図版とともに解説する。

判型・頁数: B5判　並製　276頁
価格: 定価3000円＋税